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マンション清掃業者の対応範囲や委託する3つのメリット業者選びのコツまで解説
マンション清掃業者の対応範囲や委託する3つのメリット業者選びのコツまで解説
マンション共用部の清掃状態は、入居者満足度はもちろん、内覧時の第一印象・入居率にも直結する重要な管理項目です。
特に汚れやゴミの放置は、クレームの発生や退去リスクを高めるだけでなく、建物の資産価値そのものを損なう原因にもなりかねません。
とはいえ、多忙なマンションオーナーが自身で質の高い清掃を維持し続けるのは、工数がかかるため、マンション清掃業者への委託も検討する必要があります。
本記事では、マンション清掃業者に依頼できる具体的な業務内容から、委託するメリット、業者選びのポイントまで、オーナー目線で解説します。
■マンション清掃業者の業務範囲
マンション清掃業者に委託する業務には、日々の簡易な清掃から専門機器を用いた作業まで多岐にわたります。
ここでは、マンションの清掃業務を「日常清掃」と「定期清掃」にわけ、それぞれの範囲を具体的に解説していきます。
・日常清掃
日常清掃とは、日常的に入居者が利用する共用部の美観と衛生を保つために、週に数回~毎日行う清掃業務です。
1回の作業時間は、マンションの規模や契約内容で変わりますが、2時間程度から1日かかるものまであります。
主にエントランスや廊下、階段、エレベーター、ごみ置き場、駐車場・駐輪場など、入居者の利用頻度が高い場所を清掃します。
作業内容は、掃除機やモップを使った床の清掃、ゴミの回収、手すりや郵便受けなどの拭き掃除などが中心です。日常的な掃除がメインなため、専用の機器や特殊な薬剤を使わず、高所作業が伴わない清掃活動になります。
・定期清掃
定期清掃は、日常清掃では取り除けない汚れや対応が難しい箇所を、月1回〜年数回の頻度で清掃する業務です。
日常清掃とは異なり、ポリッシャーや高圧洗浄機、専用の洗剤を用いて、床の洗浄・ワックスがけ、排水口の洗浄、照明器具の清掃などを行います。そのため、専門的な知識や研修を受けた清掃員による作業が必要となり、専門業者に依頼することが多くなります。
特に利用頻度の高いエントランスや雨風の影響を受けやすい外部の共用部では、日常清掃では取りきれない汚れが蓄積します。これらを定期的に清掃することで、美観や清潔感を維持できるだけでなく、滑りや転倒などの事故リスクの抑制にもつながるでしょう。
なお、高所作業を伴う窓ガラスや外壁の清掃、排水管の洗浄など、より専門性が高く特殊な作業を伴う清掃は、「特別清掃」として実施します。年1~2回の頻度で、日常清掃や定期清掃とは別に計画して行うのが一般的です。
■マンション清掃業者へ委託するメリット
マンション共用部や外観を清潔に保つためには、専門業者への委託が効果的な方法です。
ここでは、清掃を専門業者に依頼することで得られるメリットを、建物の資産価値や入居者の満足度向上といった観点から解説します。
・清潔感を保てる
共用部の清潔は、入居者の満足度や物件の印象を大きく左右します。エントランスのゴミが放置されていたり、メールボックスが散乱していたりすると、入居者の不満につながり、退去やクレームの原因にもなりかねません。
清掃業者に委託することで、専門的なノウハウと品質管理のもと、常に一定レベルの清潔感を維持できます。エントランスや廊下だけでなく、汚れやすいゴミ置き場のニオイ対策や目立ちやすいガラスドアの汚れ除去など、細かな部分まで行き届きます。
また、建物が清潔であれば、内見時の印象も良くなり空室対策としても有効です。入居検討者や不動産会社に「管理の行き届いた物件」として選ばれやすくなる点もメリットといえるでしょう。
・建物や設備の劣化を防止できる
清掃は単なる美観維持だけでなく、建物や設備の劣化を防止し長寿命化にも貢献します。
たとえば、エントランスの床や外壁などの汚れを長期間放置すると、素材の劣化や腐食が進み、補修コストが膨らむ可能性があります。専門の清掃業者であれば、建物・設備の劣化の前兆にも気づきやすく、早期に対応が可能です。
また、定期清掃で排水口やドレン周辺を清掃することにより、詰まりや異臭のトラブルを未然に防げます。とくに築年数の経過した賃貸マンションでは、清掃頻度や質が建物価値の維持に影響します。
計画的な清掃は、マンションの劣化を防ぎ、資産価値の維持だけでなく、将来的な修繕費用の抑制につながる必要な投資といえるでしょう。
・普段の掃除だけでは対応できない場所も綺麗にできる
共用部の清掃箇所のなかには、日常的な掃き掃除や拭き掃除だけでは手の届かない箇所も少なくありません。
たとえば、外壁や屋上の排水溝、駐車場の油汚れ、照明器具の汚れ落としなどは、専門的な機材や技術がないと対応が難しい部分です。
清掃業者に委託することで、こうした見落とされがちな場所や手が届きにくい箇所にも対応してもらえます。契約内容によりますが、高所作業車を用いた外壁の高圧洗浄や専用の薬剤を使った石材の洗浄など、プロならではの対応が期待できます。
見えない場所の汚れは放置すると劣化や悪臭、害虫の温床につながりかねません。専門業者の定期的な清掃で、入居者の目には触れにくい部分も含めた「建物全体の衛生環境」を維持できるのは、オーナーにとって大きなメリットといえるでしょう。
■マンション清掃業者を選ぶ際のポイント
マンション清掃の依頼先として、日常清掃を専門とする業者から建物管理まで行えるビルメンテナンス業者までさまざまな選択肢があります。
満足できるサービスを受けるためには、料金だけでなく、サービス内容や信頼性を慎重に見極めなければなりません。
ここでは、信頼できるマンション清掃業者を選ぶポイントを解説します。
・見積書の内容を明確に提示してくれるかを確認する
清掃業者を選ぶ際は、まず見積書の内訳が明確であるかが重要です。
単に「清掃一式」と記載されている見積もりでは、どの範囲をどこまで対応してもらえるかが不明瞭で、のちのちトラブルに発展する可能性があります。
【見積書で確認すべき項目】
●作業場所: どの場所を清掃するのか(例:エントランス、廊下、階段など)
●作業内容: 具体的に何をするのか(例:掃き掃除、拭き掃除、ゴミ回収など)
●作業頻度: 週あるいは月に何回作業するのか
●作業時間: 1回あたりの作業時間はどのくらいか
●追加料金: 時間外対応や緊急対応、特殊作業で追加費用が発生する条件
信頼できる業者は、これらの項目を明確に提示してくれます。使用機材や洗剤の種類まで説明してくれる業者であれば、安心して依頼しやすいでしょう。
・清掃範囲が広い会社かどうかを確認する
清掃業者によって対応できる範囲は異なります。日常清掃しか請け負わない業者もいれば、定期清掃や特別清掃、植栽管理まで幅広く対応できる業者もいます。
最初は日常清掃だけでも、将来的に「外壁の汚れが気になってきた」「排水管の洗浄も依頼したい」と考えるようになるかもしれません。その際に、都度新しい業者を探すのは手間がかかります。
そのため、はじめから、日常清掃から専門的な清掃までワンストップで対応できる業者を選んでおくと、追加の作業依頼や相談がスムーズです。
また、マンション特有の機械式駐車場や宅配ボックス、防犯カメラ周辺などの設備に対応した清掃実績があるかも一つの判断のポイントです。
業者のホームページで施工事例を確認したり、担当者に事前に確認したうえで判断するとよいでしょう。
・適切な回数で作業を実施してもらえるか
最適な清掃頻度は、マンションの立地や建物の規模、入居者の利用状況によって異なります。
たとえば、戸数が多いうえ、大通りに面して、車の排気ガスや砂ぼこり、ゴミが溜まりやすい都市部のマンションであれば、週2〜3回の清掃が必要なケースもあるでしょう。一方で、郊外の閑静な住宅街にある物件では、週1回の頻度でも十分な場合があります。
信頼できる業者は、事前に現地調査したうえで、清掃の頻度や作業内容を提案してくれます。「清掃頻度が多い=良い」ではなく、コストと品質のバランスを考えたうえで、無駄のない契約プランを選びましょう。
また、入居者の迷惑にならない時間帯に作業してもらえるか、台風後のような臨時対応が可能かなど、対応の柔軟性も含めて確認しておくと安心です。
■まとめ|マンションの清掃は業者へ外部委託も視野に入れよう
入居者満足度の向上や建物の資産価値維持のために、清掃業務を専門家に委託することは非常に有効な方法です。
委託費用はかかるとしても、日常清掃や定期清掃を通じて、快適・安全な環境を維持し続けることは、クレーム防止や将来の修繕費の軽減だけでなく、空室対策にもつながります。
また、信頼できる清掃業者選びのポイントを押さえることで、無駄なコストを抑えながら適切な管理体制を築けます。
清掃業務を、現状維持のためのコストだけでなく「将来への投資」として捉え、信頼できる業者に任せることが、長期的に安定した賃貸経営につながるでしょう。